はじめに 一段目 内裏雛 ┗女雛 ┗男雛 二段目 三人官女 ┗提子 ┗島台 ┗長柄 三段目 五人囃子 ┗謡 ┗笛 ┗小鼓 ┗大鼓 ┗太鼓 四段目 随身 ┗左大臣/近衛中将 ┗右大臣/近衛少将 五段目 仕丁 ┗熊手 ┗ちり取り ┗箒 六段目 嫁入道具揃 ┗箪笥 ┗長持 ┗表刺袋 ┗火鉢 ┗針箱 ┗鏡台 ┗茶道具 七段目 御輿入れ道具 ┗御駕籠 ┗重箱 ┗牛車
一段目/内裏雛(だいりびな) 主役のおふたり。仲睦まじく、お幸せに…。
一段目/内裏雛(だいりびな)
主役のおふたり。仲睦まじく、お幸せに…。
一段目の飾り方のポイント 後ろに金屏風を立て、主役のお内裏様を親王台の上に飾ります。女雛と男雛の並びは指定の位置に飾ります。男雛の冠は、頭からずれないように纓(えい)をまっすぐ立ててください。笏(しゃく)は右手に持つものです。太刀(たち)は左の腰の袖の下にいれてます。 女雛の桧扇(ひおうぎ)は、開いて手にもたせて(手が袖にかくれているときは、袖の内側にはさんで)ください。手は細くデリケートなので慎重に扱いましょう。両脇にぼんぼりと、二人の間には花をさした瓶子(へいし)をのせた三方(さんぼう)飾りを置きます。 公家と武家、京都と関東の違いが あらっ?女雛と男雛の並び方が違う?と思われた方はいませんか。気がつかれたあなたは、スルドイ! 実は男雛と女雛の並び方は京都風と関東風では左右が反対。上図の並びは京都風です。 公家中心の社会である京都では「左が上位」。上図のように男雛は座る側の方から見ると左、見る側からすると向かって右です。 一方武家中心の関東では右の*図1のように「右にならえ」というように「右が上位」。座席の位置にも身分・等級によって決まりがあるのですね。
参考までに・・・昭和天皇の即位式の際、初めて新聞に載った天皇、皇后の位置を参考に、東京の雛人形界では右(向かって左側)が男雛、左が女雛と決めたそうです。
登場人物1. 女雛(俗称:おひなさま) 素晴らしい装束の世界を知ろう 女雛の着ている衣装は正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)と言います。名前のごとく主に「五衣(いつつぎぬ)+唐衣(からぎぬ)+裳(も)」で構成されており、俗称:十二単衣(じゅうにひとえ)と呼ばれています。
登場人物1. 女雛(俗称:おひなさま) 素晴らしい装束の世界を知ろう
女雛の着ている衣装は正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)と言います。名前のごとく主に「五衣(いつつぎぬ)+唐衣(からぎぬ)+裳(も)」で構成されており、俗称:十二単衣(じゅうにひとえ)と呼ばれています。
釵子(さいし) 「おすべらかし(大垂髪)」にするには、髪上げ具として「釵子(さいし)」という金属板を紫の紐と3本の簪(かんざし)で止め、額櫛(ひたいぐし)をつけ後ろに流した髪は四か所(正装の場合)で結びました。 額櫛(ひたいぐし) また、女雛の冠には右図のような小さな珠(玉)をいくつもつないだ瓔珞(ようらく)を下げる*図2天冠(てんかん)と呼ばれる冠もあります。中国の影響を受けた形式のものです。 殿上眉(てんじょうまゆ) 殿上人(清涼殿殿上の間に昇殿し,天皇側近に仕える資格のある貴族)の化粧の一。眉をそり落として、その上に墨で二つの丸い点を描いたもの。置眉とも呼びます。 引眉(ひきまゆ) 眉を剃る、または抜いたあと、元々の眉を薄い墨でなぞっています。
おすべらかし 髪型の名称。平安時代以来、日本の女性の髪型は*図3垂髪(たれがみ)が基本でしたが、江戸時代末期には皇族および女官(高等官)は「おすべらかし(大垂髪)」を用いました。
長袴(ながばかま) 最も一般的なのは紅色の袴で、特に女性の袴は「張り」が重要で、儀式用には*図4砧(きぬた)で打った打袴が用いられました。
唐衣(からぎぬ) 十世紀の国風文化全盛期にこの「女房装束」いわゆる「十二単(じゅうにひとえ)」が着用されましたが、唐衣は女房装束の一番上に着るものです。唐風に袖や丈の短いのが特徴です。 五衣(いつつぎぬ) 重ねる枚数は身分や季節、儀式により様々でしたが五枚重ねがスタンダードで「五衣」と呼ばれるようになりました。重ねて着るため柄より複数の色の妙を大切にしました。「重ね色目」といわれています。 単(ひとえ) 当初は肌着でしたが次第に袿より大きく仕立てて袿が直接汗等で汚れるのを防ぐ役割を果たすようになりました。
裳(も) 裳は唐より伝来した際は長い筒状のスカートでしたが飛鳥時代以降、歩行の妨げにもなるため前面のみ段々と短くなり、やがて無くなりついには後面の腰から下に垂らし裳で丈の短い唐衣の後ろを覆うように着用することになったそうです。 引腰(ひきごし) 引腰は後ろに長く引く装飾的な帯です。奈良時代の影響を受けた装飾といわれます。心憎いばかりのアクセントになっていますね。
檜扇(ひおうぎ) 男雛の束帯姿に欠かせない意義の具「笏(しゃく)」。そこから派生して日本で生まれたのが「檜扇」です。紙が貴重品であった平安時代、宮中行事の作法などをメモするために用いられたともいわれますが、女性の場合は顔を隠すためにも用いたので近世では「大翳(おおかざし)」とも呼びました。こんな優雅な扇で顔を隠されたら反対にどんなお顔か見たくなりますね。
登場人物2. 男雛(俗称:お内裏さま) さすがのファッションセンス! 男性装束の花と呼ばれる束帯(そくたい)。 俗称として「衣冠束帯(いかんそくたい)」という言い方を聞きますが衣冠と束帯は別々の装束です。束帯は裾(きょ)を後ろに長く引くのが特徴です。写真では裾をたたんで背中に当てていますね。男性の第一礼装なのです。
登場人物2. 男雛(俗称:お内裏さま) さすがのファッションセンス!
男性装束の花と呼ばれる束帯(そくたい)。 俗称として「衣冠束帯(いかんそくたい)」という言い方を聞きますが衣冠と束帯は別々の装束です。束帯は裾(きょ)を後ろに長く引くのが特徴です。写真では裾をたたんで背中に当てていますね。男性の第一礼装なのです。
冠(かんむり) 冠は朝廷に出仕する際に必ずかぶらなければいけない帽子です。一方*図5烏帽子(えぼし)とは日常の帽子のことです。マンガや雑誌にしばしば冠と烏帽子を混同して記載されているのを目にしますのでここで理解しておいてくださいね。 纓(えい) 男雛の冠の後ろに差す薄い羽根状のもの。直立しているものを立纓(りゅうえい)といい、天皇のみが使用できます。垂れているものを垂纓(すいえい)といい、他の皇族が着用します。巻いてあるものを巻纓(けんえい)といい、随身が着用します。 巾子(こじ)/笄(こうがい) 髪あげをした髻(もとどり)=ちょんまげ、は立ててこの巾子の中へ納めてあるのです。髪と冠の固定のために笄(冠の左右に出ている横棒のこと)を挿して使用します。
殿上眉(てんじょうまゆ) 眉を剃る、または抜いたあと、元々の眉を薄い墨でなぞっています。 胡粉(ごふん) ひな人形の肌ってお餅みたいに白くて品がありますよね。頭や手足の顔料は何で作られるかご存知でしょうか。牡蠣の貝殻を焼いて細かく砕いた白い粉=胡粉を塗っています。これは日本独自のものです。一方、西洋のアンティークドールでは二度焼きした磁器を使用しており、肌に光沢があります。製法によって独特の風合いになるのですね。
笏(しゃく) ただの棒ではありません。表向きには意義を正す役割がありますが、笏の持ち手側には儀式を遂行する上での必要事項が記載してありました。大切な役目を持っていたのですね。
縫腋袍(ほうえきほう) 丸襟で唐風の装束です。 飾剣(かざたち)/平緒(ひらお) 儀式用で刀身に刃をつけていない剣です。束帯は宮中における正装で、武官や中務省の官人、勅許を得た参議以上の公卿は帯剣しました。剣を腰に下げるための帯として、細い前掛けのような「平緒」を垂らします。 表袴(うえのはかま) 袴は重ねばきで、表側をその名のごとく表袴(うえのはかま)といいます。季節の区別なく身分や年齢で生地が決められていました。ただし、色はすべて白です。
縫腋袍(ほうえきほう) 丸襟で唐風の装束です。
飾剣(かざたち)/平緒(ひらお) 儀式用で刀身に刃をつけていない剣です。束帯は宮中における正装で、武官や中務省の官人、勅許を得た参議以上の公卿は帯剣しました。剣を腰に下げるための帯として、細い前掛けのような「平緒」を垂らします。
表袴(うえのはかま) 袴は重ねばきで、表側をその名のごとく表袴(うえのはかま)といいます。季節の区別なく身分や年齢で生地が決められていました。ただし、色はすべて白です。
石帯(せきたい) 束帯の語源にもなった石帯は腰にまとう革で作った帯のことをさします。玉、めのうなどの石を位の上下によって帯に並べてつけるから石帯といいます。後ろ姿まで心憎い演出、さすがのファッションセンス。 下襲の裾(したがさねのきょ) 裾(きょ)は後身を長く引くもので天皇と皇太子だけは縫腋袍(ほうえきほう)の下に着る下襲から続いた裾を着用します。時代と共にどんどん長くなり何と3mにも及ぶものもあったそうです。裾(きょ)ってウエディングドレスのトレーンみたい。
雪洞(ぼんぼり) 雪洞は蝋燭(ろうそく)用燈火具で、江戸時代中期以降に広く使用されたといわれています。それにしても雪の洞でぼんぼりと読むなんて風流!
三方揃(さんぽうそろい) 三方はくり取った穴が三つの台で饗応(きょうおう→もてなし)に使います。 穴が四つの台は四方といい、親王・大臣に用いました。 これは瓶子(へいし→壷の一種)に口花をさし三方にのせたもの。通常、内裏雛の男雛と女雛の間に飾ります。
緋毛氈(ひもうせん) 雛壇の敷物は江戸時代中期では更紗染めの木綿や風呂敷で済ましていました。 赤い緋毛氈が使用されたのは江戸後期と言われています。毛氈の緋色は魔除けの意味もあるそうです。
親王台(しんのうだい) 畳の縁には雛人形のトレードマークともいえる繧繝錦(うんげんにしき)という織物がほどこされています。繧繝(うんげん)とは、同じ系統を濃い色から淡い色で並べ、反対に別の系統の淡い色から濃い色にと段階的に組み合わせることで立体感や装飾的効果を生み出してゆく彩色法のこと。畳縁の中で位が一番高いとされています。
金屏風(きんびょうぶ) 屏風は部屋の仕切りや装飾、風をさえぎるための調度の一種。日本で最初の屏風は日本書紀の朱鳥元年(686年)にも遡ります。また中世以来、外国への贈答品としても使われ遣明船の場合だと、必ず三双の金屏風を送る習わしだったようです。屏風だたみといわれる日本独自の折りたたみ式屏風は海外でも大いに珍重されたそうです。
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