はじめに 一段目 内裏雛 ┗女雛 ┗男雛 二段目 三人官女 ┗提子 ┗島台 ┗長柄 三段目 五人囃子 ┗謡 ┗笛 ┗小鼓 ┗大鼓 ┗太鼓 四段目 随身 ┗左大臣/近衛中将 ┗右大臣/近衛少将 五段目 仕丁 ┗熊手 ┗ちり取り ┗箒 六段目 嫁入道具揃 ┗箪笥 ┗長持 ┗表刺袋 ┗火鉢 ┗針箱 ┗鏡台 ┗茶道具 七段目 御輿入れ道具 ┗御駕籠 ┗重箱 ┗牛車
七段目/御輿入れ道具(おこしいれどうぐ) 雛壇ストーリーのクライマックス七段目は大名の姫君の御輿入れを表しています。立派な嫁入り道具の準備も整い、姫君の支度もできました。さあ大勢の御供を引き連れて姫さまの婚礼行列のはじまりはじまり。
七段目/御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)
雛壇ストーリーのクライマックス七段目は大名の姫君の御輿入れを表しています。立派な嫁入り道具の準備も整い、姫君の支度もできました。さあ大勢の御供を引き連れて姫さまの婚礼行列のはじまりはじまり。
七段目の飾り方のポイント お道具は絵柄の華やかな部分が前面に来るように。御駕籠のそばには立傘を2本立ててください。
御駕籠(おかご) 座る部分を一本の棒に吊し、複数人で棒を前後から担いで運ぶ乗り物。同様に人力で人を運ぶ輿(こし)は、2本以上の棒の上に人が乗る台を載せたものです。
重箱(じゅうばこ) 現代人には主にお正月のおせち料理を入れるものという感覚です。箱を何段にも重ねた事から名づけられています。室町時代の文献の中に既に「重箱」の記述があり、その歴史はかなり古く一般庶民に普及したのは江戸時代でした。狩りやお花見など外に出かけるときにも重宝されました。 さて雛道具の文様に「牡丹唐草文様(ぼたんからくさもん)」があります。 「唐草文」は、植物の茎や蔓(つる)を紋様としたものの総称で、蔓はどんどん伸びて成長することから長寿・延命の象徴とされています。 また、唐草文様の終わりのない連続文様より、永遠の繁栄をあらわしているともいわれています。「牡丹」は、約2000年前から栽培されていた歴史ある花です。中国の唐代に「富貴花(ふうきか→幸福、お金持ちになれる花)」と呼ばれましたが、その容姿より幸福、富貴などの象徴とされています。日本には江戸中期以降になって栽培が進みようやく人々の身近なものになったそうです。 洗練を極めた日本のこうした文様は今日にも受け継がれ、様々なシーンで見受けられます。文様は私たち日本人が幸への願いを込めた喜びと祈りの形なのかもしれません。
牛車(ぎっしゃ) 牛に牽引させる車のことで交通手段のひとつとして平安時代では貴族の一般的な乗り物でしたが後には移動のための機能性よりも、使用者の権威を示す風がありました。牛車には、基本的に男女の区別はない一方、昇降には細かい作法があり女性が乗る場合には「出衣(いだしぎぬ)」といって 簾(すだれ)の下から衣や 下簾(したすだれ)を出すことで「女車」と分かり、その趣向・風情で身分・家柄もある程度表したそうです。牛でなく人が運ぶ場合は御所車(ごしょぐるま)と呼びます。
雛壇ストーリー結び 江戸時代に描かれたこの錦絵から当時の大名家の婚礼行列が覗えます。黒漆塗りに美麗な蒔絵を施した調度の品々、一番上の壇には御駕籠の中からはなんとお雛様の御姿が・・・。これは雛の使い、または雛駕籠と呼ばれるものです。一般庶民には目に触れることもない美しい光景に手を合わせる人々もいたといいます。その優美さは見る人にあこがれを誘うと共にわが娘の将来の幸福を願う気持ちを託すものとなったのではないでしょうか。お雛さまは娘の将来の幸福を願って飾るものという意識が習慣として定着していったのもこのような背景があったのかもしれません。そしてそれが、女子の結婚のさいには嫁入り道具に入れるもの、そして女児の誕生を祝って飾るもの、というような習俗も生んだのではないでしょうか。今に受け継がれている雛人形にもこうした様々な歴史とストーリーがあったのです。
壇飾りゲーム 雛壇飾りを描いた錦絵使って、ひな祭り文化普及協會オリジナルの「壇飾りゲーム(無料)」をご用意しております。美しい絵と音楽で、飾り方を楽しく学べますので、ぜひ挑戦してみてください。